短歌・俳句(過去の投稿 2018/08)

このページは、池上本門寺『池上誌』に投稿された過去の短歌と俳句です。最新の投稿はこちらの池上本門寺 短歌・俳句をご覧下さい

短歌 選者 山中登久子

嫁ぐ孫の感謝のことばに胸つまり
涙のあとに嬉しさあふる
瀧口 陽耕
親友の今どこに居る誰と居る
思い出し聲も届かず
奥 貞子
梅雨空の蒸す放課後に影二つ
握り合いたる後姿羨し
五戸 将弘
梅雨晴れやあみど越す風爽やかに
季節は進む台風近し
石渡 セン
訪ね来し友との話長引けり
帰りたくなし帰したくなし
澤邉 茂野
故もなく小さき音にも驚きぬ
夫亡きあとの眠れぬ夜に
佃 かね子
蓬餅に蓬茶そえて供養する
弟を偲ぶ五月五日は
菊地 蓮子
雨の夜の夏書がきの為の筆洗ふ
墨磨る音も丑三つ時か
切通 耕道

俳句 選者 能村研三

彫刻師の微塵をきざむ梅雨晴間
阿部眞佐朗
神鶏の威厳は捨てず羽抜どり
石川 笙児
父の日や清濁を越え父百寿
酒井 智章
虎が雨濡れるも良し歴史女子
増島 淳隆
虎が雨今日の水遣り休みけり
澤邉 茂野
甘酒はあつがよしと峠の茶屋
今里 隆
鵜匠らの鵜をあやつりて鮎をとる
切通 耕道
涼風に心も洗はる日暮れどき
辻井 良枝