ご挨拶

この度、学監と布教部執事を拝命致しました山口顯辰です。
今回は皆さんに自己紹介をさせて頂きたいと思います。
私は長年にわたり日蓮宗の加行を重ねて参りました。
「大荒行堂」と言えば皆さんもおわかり頂けるかと思いますが、正式には加行所(けぎょうしょ)と申します。
十一月一日中山法華経寺の祖師堂で、「入行僧の皆さん、本日只今より、皆さんの自由と自我と生命をお預かりいたします」と正伝師の凛とした声に身も心も引き締め、檀信徒に見送られ、荒行堂の瑞門をくぐり結界百日。
暁天三時に始まり、夜十一時までの七度の水行と読経三昧の日課は、まさに止暇断眠の毎日でありますが、これこそ修法布教を志す僧侶の誓願行なのです。
「自身仏にならずしては父母をだにもすくいがたし、いわんや他人をや」の宗祖日蓮聖人のお言葉の通り、自分自身仏にならんと欲し、聖人の艱難辛苦の御生涯に思いを馳せ、二陣三陣と続かんがため、加行僧全員、二月十日の無事成満を期して精進するのです。
この加行僧の姿から学ぶことは、私たちも共に行学二道に励み、成仏直道のみ教え、法華経を、お題目を声高らかに唱え、体で実践することであります。
毎朝のお勤めでは菅野日彰貫首様お導師のもと、毎夕本殿で営まれるお勤めでは不肖私が導師を務めさせていただきご回向を捧げております。どうぞ皆様、この池上へお参りいただき、共に修行に励もうではありませんか。

合掌

山口顯辰