トイレの神様

十数年前、同タイトルの歌がヒットしたことを皆さんも記憶していると思いますが、その歌に登場するトイレの神様は女神様で、トイレ掃除をするとベッピンさんになるとのことでした。日蓮宗では、トイレに火神・厠の神として信仰される「烏蒭沙摩明王」(うすさまみょうおう)のお札を祀っているところがあります。
私が6月のある日、自宅に帰宅後トイレに入ると、妻と娘の生年月日が書かれた和紙に紫陽花が包まれて、それぞれ吊るしてありました。
驚いて妻に聞くと、先日遊びに来た関西の伯母から、「関西地方(特に大阪)では、6月の『6』のつく日に紫陽花をトイレに吊るすと、女性特有の病気にかからない」と教わり、実践してみたそうです。
なぜ紫陽花を吊るすのかは不明ですが、「烏蒭沙摩明王」が紫陽花を好むという由来が関係しているのかもしれません。
まだまだ私たちが知らない、その地方独特の風習があると思いますが、美しい日本古来の風習は、どれほど科学が進歩しても忘れずに、次の世代へ伝えていってほしいと思います。

合掌

田中智覚