短歌・俳句（過去の投稿　2023/08）

このページは、池上本門寺『池上誌』に投稿された過去の俳句です。最新の投稿はこちらの池上本門寺　短歌・俳句をご覧下さい

短歌 選者 清水麻利子

ひとりぶらり見知らぬ街に今日の快
老いはご褒美老いは放縦
立花三千男
波揺らし魚影忙しき三番瀬に
夕映えやさし干潮の妙
立花三千男
伊豆の海きらめく光凪ぐ沖の
漁する帆船あまた広がる
櫻井　俊子
異常なる豪雨きたりて氾濫し
大きな家が浮きつ沈みつ
櫻井　俊子
おとなしく鎮座ましますサクランボ
つやつや光る箱入娘
辻井　良枝
裏口に燕は今年来たのかと
問いて声聞く施設の友の
小林みよ子
水無月は猫の命日手を合わす
紫陽花の祈り天の彼方へ
菊地　蓮子
吾妻の米寿を祝う歳迎え
互いに無事の盃交わす
瀧口　陽耕
美容師に素敵とお洒落を褒められて
素直に受けて嬉し恥ずかし
西嶋　弘子

俳句 選者 能村研三

それぞれの孤高に咲けり朴の花
関根　瑶華
伴睦の墓守る虎や青あらし
石川　笙児
白球の突き抜けてゆく五月闇
阿部眞佐朗
青柚の香宵の狭庭に紛れをり
峰崎　成規
夕星にチャイムの余韻夏はじめ
菊地　光子
球児らの声ふくらます若葉風
竹田　絹子
石切の山峩々として緑雨中
古居　芳恵
抜きん出て風と遊ぶや今年竹
岩波　博庸
子の脛すらりと伸びて夏隣
小形　博子
山帽子咲き初む庭に風やわし
伊藤よし枝