短歌・俳句(過去の投稿 2018/03)

このページは、池上本門寺『池上誌』に投稿された過去の短歌と俳句です。最新の投稿はこちらの池上本門寺 短歌・俳句をご覧下さい

短歌 選者 山中登久子

摘出の毛管破片と対面す
受難の日より七十二年
小澤 元
車椅子の妻の介護の明け暮れの
介護2が逝く八十九歳
飛田 正勝
テニスする初老の仲間ひなたぼっこ
声弾みおり年明けの初回
沖 貞子
除夜の鐘を今年もお寺に孫とつく
雲居に淡き月光のさす
吉野 芳子
健やかな姿優しき友よりの
年賀状嬉しともに祝いぬ
石渡 セン
冬枯れの芝生の土筆を指さしたる
夫の遺影語らず淋しも
千葉 瓊子
霜月の乾いた心にすき通る
薄紅の君の言の葉
五戸 将弘

俳句 選者 能村研三

七草に洩れたる草の青さかな
菊地 光子
立春大吉東京湾のべた凪ぎに
石川 笙児
枯れながら生きる命や冬木の芽
山室伊津子
初釜やまず新しき足袋履きて
酒井 智章
能登金剛寒満月をもちあぐる
阿部眞佐朗
初日記戦止まぬと書きにけり
飛田 正勝
座禅堂一人で坐る淑気かな
今里 隆
着ぶくれた友はクラスの人気者
増島 淳隆