池上本門寺を読む

短歌・俳句

『池上誌』に投稿された短歌・俳句をご紹介します

短歌 選者 清水麻利子

ホーホケキョ聞こえたかとの友からの
携帯電話に耳そばだてる
辻井 良枝
春の日をほんのり浴びて猫柳
ぎんいろ花穂を水面に映す
菊地 宣子
眠気とも仲良くなりて青葉みる
快い風すこぶる睡(ねむ)い
西嶋 弘子
冬庭に凛と一輪白いバラ
するどい針に守られながら
菊地 蓮子
髪を切り手をとり言われる「ありがとう」
車椅子から晴れ渡る笑み
小林 良行
週二回一時のお迎えデイサービス
馴れたる今は寛ぎの場に
富田 朝子
瓶にある母の漬けいし梅干しは
母逝く年の最期の手仕事
小林みよ子
公園の広き芝草みどり成し
園児の喚声さわやかに聞く
櫻井 俊子

俳句 選者 能村研三

幾千万芽木かがよひて本門寺
酒井 智章
杖突けば正に老人春うれひ
石川 笙児
窓拭き屋ビルに広げる新樹光
峰崎 成規
吾子が子を育ててをりぬ葱坊主
阿部眞佐朗
うららかや歩け歩けと口ずさみ
菊地 光子
海見ゆる父の望みの彼岸等
古居 芳恵
無為といふ無事の一日忘れ雪
関根 瑶華
看病の日数重ねて花は葉に
伊藤よし江
問診の火照りの醒めて初桜
岩波 博庸
春の海向う岸には城ヶ島
池田 勝

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