
池上本門寺を読む
短歌・俳句
『池上誌』に投稿された短歌・俳句をご紹介します
短歌 選者 清水麻利子
スマホ持ち歩けば歩数息(そく)のもと
我の見守り怠りのなき
我の見守り怠りのなき
富田 朝子

四時間の距離でも厭わず我が為に
月一来たる娘も歳重ね
月一来たる娘も歳重ね
富田 朝子

夏探し気づけば家の梅の木の
繁茂はげしく路地にあふれる
繁茂はげしく路地にあふれる
菊地 宣子

ほたる草あえかに芽生え夏の野に
根を張り群がり藍いろ極む
根を張り群がり藍いろ極む
菊地 宣子

歯なし顔初対面なる可笑しさに
歯科医院去る前歯抜いた日
歯科医院去る前歯抜いた日
小林みよ子

信行会山山山のお寺にて
お題目唱え「オゾン」とコラボす
お題目唱え「オゾン」とコラボす
辻井 良枝

江戸川の土手の名傾(なだ)りに捩花の
螺旋に咲けり雑草(あらくさ)の中
螺旋に咲けり雑草(あらくさ)の中
浦野 みよ

今もなお逝きて久しき夫想う埋(うず)み火(び)のごと消えず老いたり
浦野 みよ

俳句 選者 能村研三
枇杷熟るる枇杷山熟るる安房の海
小形 博子

利根川のたつぷり太り梅雨明くる
峰崎 成規

星空へ押し立ててゆく山車十騎
阿部眞佐朗

不自由を自由に生きて金魚かな
菊地 光子

摘みたての胡瓜がりりと青き音
関根 瑶華

はたた神一手に本山避雷針
酒井 智章

文庫本胸に昼寝や海の風
伊藤よし江

病棟に歓声あがる朝の虹
石川 笙児

落慶の相輪天への夏の山
池田 勝

塩竈菊風車のごとく咲き満ちて
佐藤 浩章

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