短歌・俳句(過去の投稿 2018/05)
このページは、池上本門寺『池上誌』に投稿された過去の短歌と俳句です。最新の投稿はこちらの池上本門寺 短歌・俳句をご覧下さい
                
                
                   短歌 選者 山中登久子
とろろ汁に卵割りいれ酒の友
亡夫の好物息も好みおり
					  亡夫の好物息も好みおり
石渡 セン
                      
					  
                    
相次ぎて孫の新世帯構えたり
わが虚脱感名状し難き
					わが虚脱感名状し難き
小澤 元
                      
					
                    
雲低く雨降り続く日々なれど
おだやかに過ぎし一日を感謝す
					おだやかに過ぎし一日を感謝す
佃 かね子
                      
					
                    
実のなる樹植えてさ庭の半世紀
老いて華やぐ梅咲き盛る
					老いて華やぐ梅咲き盛る
飛田 正勝
                      
					
                    
「鬼はそと」高らかな声の勇ましく
今年こそ勝負の二十歳の息は
					今年こそ勝負の二十歳の息は
村山奈津子
                      
					
                    
なだめつつ施設に残し帰り来ぬ
義姉を思えば心の重し
					義姉を思えば心の重し
吉野 芳子
						
					
                    
娘とひ孫共に筆もち書の稽古
笑顔いとしき春彼岸かな
					笑顔いとしき春彼岸かな
切通 耕道
                      
					
                    
道に迷い傷つき駆けし青春の
良き日の姿切り株に見る
					良き日の姿切り株に見る
五戸 将弘
                      
					
                    
豊後梅の存在示すピンク色
小鳥集まり賑やかな春
					小鳥集まり賑やかな春
奥 貞子
                      
					
                    
蛤の貝殻に花の香りする
邪気を払わん夕暮れ時は
					邪気を払わん夕暮れ時は
菊池 蓮子
                      
					
                    俳句 選者 能村研三
生きてゐることの付録や春愁
                    
					
阿部眞佐朗
                    
					
					     
                    
鳥帰る東京に骨埋むるか
                    
					
石川 笙児
                    
					
					     
                    
親子して名残りの雪や墓参り
                    
					
酒井 智章
                    
					
					     
                    
病み上がり柔らかく踏む土手の春
                    
					
飛田 正勝
                    
					
					     
                    
さばき上手寒釣にビク重し
                    
					
増島 淳隆
                    
					
					     
                    
寺詣で読経の波も春うらら
                      
					
辻井 良枝
                    
					
					     
                    
日向ぼこ人猫人と並びけり
                      
					
今里 隆
                    
					
					     
                    
修二会の夜輪を描く火の粉走りをり
                      
					
切通 耕道