短歌・俳句(過去の投稿 2019/01)

このページは、池上本門寺『池上誌』に投稿された過去の短歌と俳句です。最新の投稿はこちらの池上本門寺 短歌・俳句をご覧下さい

短歌 選者 山中登久子

何時かみたあの日の雲と同じ雲
遠くにありし夏を思えたり
佃 カネ子
母の歳はるかに越えしわが齢
二年耐ゆれば白寿とならん
澤邊 茂野
心臓の血管内部の石灰化
医師の宣告重く受けたり
曽山 澄子
ネメシアの命尊し種とばし
未来に繋ぐ生命の雫
奥 貞子
五千歩の朝夕散歩うきうきと
日課の如く楽しく歩む
友口 信雄
真間川の橋の上つ瀬下つ瀬に
しだれ紅葉の花のながるる
飛騨 正勝
夕焼けにおいてきぼりを喰らう月
空そのままに夢みたき日よ
五戸 将弘
テニス界世界一位の若武者は
ドイツ生まれの二十一歳
切通 耕道

俳句 選者 能村研三

高々と秋を刻みて観覧車
酒井 智章
仏縁の扁額燦と冬晴るる
阿部眞佐朗
行く秋の音楽堂の木の扉
菊地 光子
行く秋や富士の見えない富士見山
石川 笙児
天高し荒磯を洗ふ海のいろ
飛田 正勝
老ゆる程未知は愉しと竜の玉
山室伊津子
定宿の朝食たのし秋の旅
今里 隆
主なき家にも花梨の三つ四つ
畠山 恵美
七五三はしゃぐ子供に未来在り
椎名 則之
拍手に背筋整ひ天高し
長門 洋